Charles Stepney / チャールズ・ステップニーの名作紹介

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    Charles Stepney

    創造力のあるアレンジで時代を築いた異彩プロデューサーCharles Stepney...。

    Hip Hop世代ではA Tribe Called QuestRotary Connectionの「Memory Band」をサンプリング。
    クラブ・ジャズ世代ではThe New Rotary Connection「I Am The Black Gold Of The Sun」をNuyorican Soulがカヴァーしており、さらに近年ではToshio Matsuura Groupもカヴァーして話題になったり、Terry Callierの復帰や4HeroMarc Macがフェイヴァリット・プロデューサー/アレンジャーとして挙げているのもお馴染みのCharles Stepney。
    David AxelrodArthur Verocaiなどがそれと似たアレンジャーと言われるが、彼らとはまた違うサウンドを奏で、一聴してチャールズと分かると言える彼のサウンドを特集。
    (David AxelrodとArthur Verocaも素晴らしいアレンジャーなのでいつか特集したいと思う)


    Charles Stepney WorkのSpotifyのプレイリストを作成しました (順不同)










    4 HEROによる「Morning Child」はもうCharles Stepney作品のオマージュとしか思えないくらいな極上アレンジ。




    ・Charles Stepneyの特徴とChess Records
    今は亡きCharles Stepneyのトレードマークと言えるサウンド『豊で優美なバロック音楽の要素に加えた何層ものヴォーカル・アレンジや電子音をいち早く前衛的に用いた濃密な音』は、どのジャンルのプロデューサーと比較しても、ひときわ独創的で芸術的なものだと言える。
    Charles Stepneyは傾きかけたレーベル再建のための戦力としてマーシャル・チェスに見込まれ、Chess Recordsに迎え入れられた。その後、Charles Stepneyはプロデューサー・アレンジャーとして活躍。Ramsey LewisTerry CallierThe DellsMuddy WatersをはじめとするChess Recordsの所属アーティストと共に数々のCadet盤を生み出した。

    因みにChess Recordsの物語を2008年にビヨンセ製作総指揮のもと『キャデラック・レコード』として映画化されている。
    Charles Stepneyは出演してないが、ビヨンセ自身エタ・ジェイムス役として登場している。



    Charles Stepneyはありとあらゆる音楽を聴いていた。得た知識をポップス、R&B、ソウル、ジャズに活かそうとするため、とにかくなんでも聴いた。チャールズは耳が鍛えられていたから聴いたものを細かく分析できていた。
    また起きてから寝る時間までCharles Stepneyは曲を書いていたようだ。
    その彼のCharles Stepneyらしさが出た最初の作品はMinnie Ripertonの『Come to My Garden』だった。
    チャールズは音楽の豊富な知識があり本物のクラシックのミュージシャンでもあった。遊びでクラシックを使わなかった。
    ジャズ、R&B、ブルース、ソウルといったジャンルをクラシックの中で活かしていく。
    彼はクラシックのコンサートにも良くいっていた。「あのストリングスの音、何を表現していたと思う?」と集中し聴いていたようだ。
    音楽はチャールズにとって一つの言語であり、ストーリーを語れるものと思っていた。ブラック・ミュージックはクラシックと同等に扱う価値のある本物のアートだとチャールズは信じていた。
    ラムゼイ・ルイス・トリオの「Peter and the Wolf」を良く弾いていたようだ。
    ジャズというジャンルをシンフォニーの中で見せるということに拘り、その上、ブラック・ミュージックや黒人のアーティストが一つのジャンルに縛られるのを嫌がっていた。
    チャールズの根本で最も愛していたのはジャズであった。でもテクニック上達のためにはクラシックのトレーニングも必要だと考えていた。
    だからジャズに対する愛情を示すと同時に、より洗練されたリスナーとミュージシャンを育てたかったようだ。


    ただし、Charles Stepneyが超一流プロデューサーの仲間入りを果たすのは、Earth Wind & Fireの結成/プロデューサー/作曲に関わり、モーリス・ホワイトと組んでデニース・ウィリアムズやエモーションズといったアーティストを手掛けてからである。
    その間にも、プロデューサー/アレンジャーとしてのCharles Stepneyの独創的な視点はいつも光続いていた。Minnie Ripertonの声をテルミンのように使ったり、モーリス・ホワイトにカリンバを使わせたり、エモーションズのような女性コーラス・グループのアレンジを手掛けたり。
    どんな時でもステップニーはスタジオで圧倒的な力を発揮し、決して妥協することなく可能性を限界にまで追求して、パーツの寄せ集めを超えた作品『壮大で並外れた調和の世界』へと昇華させたのだ。そういった作品によって、プロデューサーはただの制作者ではなく、個性を明確に打ち出す創造主なのだという概念が注目を浴びるようになった。


    ・Charles Stepneyの若い頃〜Chess Recordsへの契約とその活動。
    若きCharles Stepneyは、チャールズの母親からピアノを教わっていた。チャールズの母はオルガンを弾けたし、教会でピアノを先生をしていた。10代の頃は音楽院にいくお金も無く、食料品店でアルバイトをして音楽院の学生が購入していそうな本を全部買い漁った。そしてそれをじっくり読み研究し、アレンジの勉強をしていた。
    チャールズが大きくなってからは、彼には養わなければならない家庭があったため安定した仕事が必要だった。チャールズは譜面が読めたので、1枚10ドルで譜面をコピーする仕事を始めた。でも次第に毎回10ドルを払うよりも、いっそ社員として雇った方が良いと判断し彼をチェス・レコードが雇った。

    チャールズは型にはまらない自由な発想を常にしていた。
    The Dells/デルズをプロデュースしていた頃には「Stay in My Corner」では時間を気にせずレコーディンをしており、当時としては斬新なことをやっていた。ラジオのオンエアを考えるとリスクが高かったがそれを大胆に行なった。
    周囲が嫌がるだろうと意見を振り切ってMuddy Watersにエレキ・ギターを持たせたのもチャールズであった。
    Chess Recordsもチャールズにクリエイティブにできるように自由に仕事をさせていたようだ。







    最初はアレンジャーであったが、やがて専属のA&Rとなった。A&Rとして最初にチャールズが手がけたのは、おそらくRotary Connectionであったと思われる。


    ・Charles StepneyとMaurice White/モーリス・ホワイト (from Earth Wind & Fire)
    Earth Wind & Fireの命名はチャールズがしたようだ。Earth Wind & Fireのリーダーであるモーリス・ホワイトはもともとChessのラムゼイ・トリオにドラマーとして参加しおり、その頃からのすでに、自然界の要素にちなんだグループ名でバンドをつくる話しをしていたようだ。
    モーリスはラムゼイのもとを離れ、Chess Recordsからも移籍した。それでもモーリスはコンセプト面でチャールズのアドバイスを求めたがチャールズにはChess Recordsとの契約があり、全てを手伝うことができなかった。
    チャールズの名前がEarth Wind & Fireでクレジットされてないのは、Chess Recordsが他アーティストと仕事をしてはいけないという契約に関係していた。
    Earth Wind & Fireは名前の代わりにコラージュした絵を使った。それが『Last Days and Time』たっだ。
    またEarth Wind & FireのアイデアはRotary Connectionの存在が基になっていたようだ。





    それから最初のアルバム2枚をリリースの後にステップニーはColumbiaに移籍をし、ステップニーは本格的にEarth Wind & Fireに関わるようになった。EW&Fはジャズから始まり、3枚目のアルバムではかなりグルーヴ重視のバンドに変化していった。今までと同じ要素をキープしつつ新たなる市場を開拓し、それを証明していた。
    Earth Wind & Fireの楽曲の作曲はチャールズで、作詞はモーリスだった。


    ・Charles Stepneyの様々な楽器へのこだわり
    チャールズにとってエレクトリック・サウンドは楽器みたいなものだった。Rotary Connectionに「Pink Noise」、「Black Noise」があり、いつでも使えるようにサウンド・エフェクト音源集も多数持っていた。
    また、ウォーター・ドラム、ストリング・ドラム、カリンバがお気に入りだったようだ。
    更にはシタールなどの珍しいあらゆる種類の音を欲しがり、マーシャル・チェスがその資金提供をしていた。
    アース・ウィンド&ファイヤの最初の二枚のアルバムではカリンバが使われ、sweet lady janeではウォーター・ドラムを使った。




    ・Chess Records移籍後
    Chess Records移籍後もキャッシュ・マッコール、ルー・サターフィールド、モリス・ジェニングス、フィル・アップチャーチ、クリーヴランド・イートンなどが一緒に仕事をしようとチャールズのもとに来ていた。
    彼らはChess Recordsにいた頃からビジョンがあった。自分のやりたいことができる時期を待っていた。また、当時ジャクソン・ファイブ、エルトン・ジョンからのオファーもあったようだ。
    エモーションズといっ姉妹グループもチャールズは好きだった。姉妹だから声がよく合い、他人同士には真似出来ないハーモニーが出せる、家族だと音域が違っても声質が似ている。そういうグループと仕事するのが好きだった。





    フィル・アップチャーチの「FREE」をサンプリングしたコチラも日本語ラップの名曲デス




    ・チャールズとミニー・リパートン、リチャード・ルドルフとその後。
    作曲家であるリチャード・ルドルフはシカゴのロック会場で働いており、そこでチャールズとMinnie Ripertonと出会った。リチャード・ルドルフが最初に書いた曲でルドルフ自身も気に入っていた曲は「Come to My Garden」だった。ミニーも曲を気にっており、それをチャールズに聴いてもらい「Come to My Garden」をとても気に入っていたようだ。そこから3人での仕事が始まり、Rotary Connectionへの共同作業が本格的に始まった。


    Minnie Ripertonのパート部分は予めステップニーが書いていたのではなく、大部分が即興だった。曲の基本コンセプトと方向性はチャールズが説明していたが、Minnie Ripertonのはその場の感覚で歌うことが多かった。Terry Callierが書いた「Occasional Rain」でチャールズはミニーに雨の音をやってもらい、それを見事に表現させた。



    リチャード・ルドルフが作詞ををした「Les Fleurs」などチャールズには気にいった曲を何度か繰り返し使い、それを別の次元へ楽曲を持っていった。
    またチャールズは常に最高のものを作りたがっていた。いつも限界の限界までやり尽くし、最高を求めていた。ただポップスの枠には限界があることを知っていた。それでもチャールズとリチャードとミニーはアルバムで一つのストーリーを語ろうとしていた。それは旅をするようなものだ。リスナーを旅に連れて行く。そこに空いている穴をチャールズは見抜いて繋ぎ、さらに別の次元へ進んでいく。チャールズには「所詮こんなもんだろう」なんていう言葉は通じなかった。



    当時チャールズは、いろんな意味で時代を先取りしていた。もちろん優れた才能の持ち主だったが、それ以上に努力家でもあった。それもまたチャールズの魅力のひとつだった。チャールズには学んで培った知識と情報が豊富にあったから、それを自在に引き出して表現することができた。つまみ食いや借り物で終わらずに、真の芸術性のあるものが創造できた。それは時が経っても色褪せない。ただ強引に色々な要素をミックスしているわけでなく、そこには膨大で深い知識の裏付けがある。でも、聴く分には、そんなものを感じさせない、とにかく聴きやすく、気持ちが良い音楽だ。

    残念ながらステップニーはキャリアの絶頂期に、輝かしいキャリアに幕を下ろした。1976年、心臓発作のために、43歳の若さでこの世を去ったのだ。アース・ウィンド&ファイヤの『Spirit』を制作している時のことであった。





    ・Charles Stepney作品を聴くことができるMIX作品
    正直Charles Stepneyの作品を楽しめるMIX作品は非常に少ない。
    残念ながらもう聴くことができなくなってしまったが4HeroのMarc MacのFREE PODCASTにてCharles Stepney関連のFREE MIXがあった(下記リンクではもう聴くことができません...。ゴメンナサイ。トラックリスもあるので見て楽しめると思います)
    https://www.podomatic.com/podcasts/marc4hero/episodes/2007-10-17T10_43_35-07_00
    PODDACTがUPされた当時、個人的にも何度も何度も聴いて本当に影響を受けたし、このミックスのおかげでCharles StepneyのLPを相当集め、更には私自身でのCharles Stepney トリビュートMIX CD『Asahi Kurata : Les Fleur - Charles Stepney Tribute』を作るきっかけなった。
    因みにサンプリングしたHIP HOPなども収録し、ネタフリ含めて永く聴ける作品と思います。視聴リンクなど詳細は下記から
    https://mothermoonmusic.com/?pid=19443395





    コチラの音源はFREEで聴けますが、MIXというよりはラジオ的スタイル音源で楽しめます。個人的にはMarc Macの作品の方が好きだが、名曲のカヴァーやサンプリングされたヒップホップも収録されており楽しめます。



    Jazzanovaによるカット・アップ&ブレンド・ミックスなコチラ秀逸です!ドラムが足されたり、ウワモノをループさせたりと面白い内容デス!!
    レジェンド作品紹介 / Legend Works | comments(0) | -

    【フリー音源】mother moon BGM vol.4 / Beyond The Summer (July 2011 ver.)

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      【フリー音源】mother moon BGM vol.4 / Beyond The Summer (July 2011 ver.)


      mother moon BGM 第四弾は前回三弾の続編的なワールド/レゲエ/ダブ/レゲエ・ヒップホップを集めたチルアウト作品!!

      マザームーン実店舗時、購入者様へ配布していたノヴェルティCD (ノンミックス) データがありましたのでmixcloudへ定期的にアップしていきます!


      セレクトCD的な立ち位置としてノンミックスですが今回の音源UPにおいて、曲間、音量を調整・修正しております。

      2009年2月から毎月配布してましたが、おかげさまでなかなかの好評を頂く事ができました。
      レアグルーヴ (クラシック) としての和モノは当時から提唱しており、過去のノヴェルティを引っ張りだして聴いている方もいるようです。

      是非お楽しみ下さい。


      mother moon BGM 第四弾は前回三弾の続編的なワールド/レゲエ/ダブ/レゲエ・ヒップホップを集めたチルアウト作品!!
      カリブ・カリプソなテイトの南国系楽曲からゆる〜めなレゲエ・ダブ、近年のビートメイカーによるレゲエ・サンプリングのインストHIP HOPまで幅広く選曲しました。

      Kid Creoleの「I'm Corrupt」はJazzanovaが当時ラジオで収録しており、「Jazzanovaと言えばレア盤ばかりチョイスしてるんでしょ?」と思っていたものの、Kid Creoleをチョイスする意外性と安盤のなかに良質な穴曲がある思わさせられた個人的に思い出の1曲ですw



      mother moon BGM vol.4 / Beyond The Summer (July 2011 ver.)
      selected by Asahi Kurata (mother moon music)
      https://www.mixcloud.com/asahikurata/mother-moon-bgm-vol4-beyond-the-summer-july-2011-ver-selected-by-asahi-kurata/

      1. Lunar (SOFT meets PAN)
      2. Calypso Path - Sofrito Edit (Sofrito Specials)
      3. I'm Corrupt (Kid Creole & The Coconuts)
      4. The Model - Joey Altruda Remix (Seu Jorge and Almaz)
      5. March feat. Aaron Phiri (grooveman Spot)
      6. Sunrise (Monkey_Sequence.19)
      7. Buds (Budamunky)
      8. On And On (Taggy Matcher)
      9. Ain't No Sunshine (The Slackers)
      10. I'm Gonna Love You Just A Little Bit More (Lloyd Charmers)
      11. Beyond The Summer II (cro-magnon)
      12. Nuh Skin Up Dub (Keith Hudson & The Soul Syndicate)
      13. Three O'Clock Roadblock Version (Augustus Pablo)
      14. Curly Dub (Lee "Scratch" Perry & The Upsetters)
      15. What's Happening (Boris Gardiner)
      16. そばにいてよ version (Tuff Session)









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      Solange/ソランジュ『When I Get Home』とStevie Wonder、Steve Reich、Alice Coltrane、Sun Raの影響とジャズの関連性について

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        solange


        Solange/ソランジュの4thアルバムである『When I Get Home』の本作がリリースされたのが19年の3月ころ、改めて聴き直したらやはり素晴らしいと思いブログを更新しましたw


        彼女自身ミニー・リパートンのような可憐な歌声を聴かせるソウル/R&Bシンガーというイメージが以前から強くあったが、本作リリース当時にPichforkで掲載していた記事にはStevie Wonder、Steve Reich、Alice Coltrane、Sun Raの名前が挙がっており、そこからインスリレーションを受けていたのが強く印象的であったのも覚えていたので改めて調べてみた。





        When asked about the process of writing the new album, Solange revealed some musical inspirations she turned to at the time, including Stevie Wonder (and specifically his album The Secret Life of Plants), Steve Reich, Alice Coltrane, and Sun Ra―music that emphasized repetition.



        同じくPichforkにてStevie Wonder『Journey Through The Secret Life Of Plants』からの影響を公言している。



        Stevieのリリースする作品はソウル、ファンク、ジャズなど黒人音楽を中心にラテン、ブラジル、レゲエのリズムやクラシックの要素を大胆に取り入れ、ソウル、ファンクの枠内に収まらない音楽性に普遍的なメロディーとハーモニーで数々の名作を作っていたが、上記アルバム『Journey Through The Secret Life Of Plants』特に例外な作品だと思う。


        当時では珍しいサンプラー、シンセを使い日本人の子供たちが歌う「Ai No, Sono」ではソウルというよりもニューエイジな質感をもっている。また余談ではあるが城秀樹が「愛の園」としてカヴァーし隠れたテクノ歌謡としても有名だ。

        西城秀樹「愛の園 - Ai No Sono (7")」はコチラ

        また「Voyage to India」ではインド音楽を取り入れ、ソウル、ファンクといった今までのスティービーといったブラックミュージックと違い、欧米、欧州、ラテン、カリブ楽曲に収まらない他国の音楽性までも取り込んでいる。


        スティービーのアルバムとして『Songs In The Key Of Life』、『INNERVISIONS』、『Fulfillingness First Finale』に比べ、今回Solangeが影響を公言するアルバム『Journey Through The Secret Life Of Plants』は当時としての実験性もあり今までの作風と変わり世間からはどのような評価であったかはわからないが、スピリチュアルな雰囲気の強い作品で、芸術的な繊細さを感じさせる仕上がりになっている。

        ちなみに『Journey Through The Secret Life Of Plants』は同タイトルの映画のサウンドトラックとして、Stevieが3年という時間をかけ完成させた作品(映画は残念ながらお蔵入り)



        Pictforkで同じく影響を受けたと発表していた人物として

        Alice Coltraneもスティービーと同じくインド音楽を取り込み、日本の琴などアジアの楽器に興味を持ち、それをジャズに融合させていた。

        Steve Reichはミニマルミュージック/現代音楽の巨匠としてお馴染み。Alice、Stevieと同じくアフリカ、アジアの他にインドネシアのガムランからの影響を受けていたことは有名。

        Sun Raはジャズ界の異彩。上記3人とも同じでアジアの影響とアジア、アラブの楽器、音楽性を実験と共に行っていた。


        Solangeの作品にインスパイアを受けた4人はアジア等、西欧以外からの音楽性を取り入て表現していたアメリカ人である事がわかる。

        4人の音楽性はアメリカが生んだ音楽だが、様々な国の音楽の要素が入っており、その影響を受けた国の民族音楽をするのではなく、本人の奏でる音楽に新たなインスピレーションを受けそれを自らの音楽にアウトプットしていると言える。



        上記の関連性を含めてSolange『When I Get Home』を聴いてみると彼女のベースであるR&B、ソウル、Nu-Soulとして聴こえるが、細部にはその影響が垣間見えて聴こえるのがわかる。


        「Things I Imagined」ではSteve Reich的な反復され重ねられるSolangeの声と、続く「Down with the Clique」では同じ動きを見せる人のPVさえもミニマルでありSteve Reichを感じさせてしまう。





        また本作『When I Get Home』についてSolangeは「ヒップホップのドラムやベースも入っているが、作品の核にあるのはジャズ」と語る。

        Jamire Williamsの名前が「Dreams」と「My Skin My Logo」の2曲でプロデューサーとしてクレジットされている。Jamire WilliamsはRobert Glasparの共演と、2014年に最新のジャズグループERIMAJとしてジャズ・ドラマーとして知られる

        ERIMAJ『CONFLICT OF A MAN』はコチラ!! J Dillaのカヴァー「Nothing Like This」収録!!





        『When I Get Home』では、Jamireの作品にある『///// EFFECTUAL』と同じ音色と演奏だ。Solangeの作品では音数が少ない、引き算のようなドラム音であるが、そのドラムはサンプリング・ループではなく生演奏であり、それ故にドラムの音色がクオンタイズ・ビートようにわずかに動いて聴こえる。むしろループし聴こえるのはSolangeの歌声でありそれがSteve Reich的。


        Jamireは実際にジャズも演奏できるのだが、彼の作品と今回の『When I Get Home』では打ち込みの要な音色が強く、きわめてビートミュージックであり、それが新しいジャズとも言えるかもしれない。それはクリス・デイブ、カリーム・リギンス等のようにビートミュージック的な演奏をできる技術を持つジャズ・ドラム奏者だから出来るものだと思う。そこに彼女が言う「ジャズ」とも言えることと思う。











        また重要なのが本作『When I Get Home』で8曲もののプロデュースに携わったているJohn Carroll Kirby

        Solangeの前作『A Seat at the table』、Pharrell Williamsの作品にも関与しており、自らの作品ではアンビエント/ニューエイジ作品を残している。シンセをストリングス風に聴かせる等、様々な鍵盤を使った"疑似な"オーガニック・サウンドではSolangeの作品にも大きく影響を感じる。

        『When I Get Home』の「Beltway」ではまさにJohn Carroll Kirby的なアンビエント/ニューエイジ作風でSolangeの声を重ねハーモニーを奏でている。





        ちなみに『When I Get Home』のプロデューサーの一人であるChassolもSteve Reich好きであり「Reich & Darwin」をリリースしており、その「Reich & Darwin」のように早いBPMで短く繰り返しているわけではないが『When I Get Home』からミニマルに展開するライヒ的な表現はChassolによるものと感じさせられる。

        とあるアーティストが言っていたが「Steve Reichはジャズだ」と言っていたが、そのミニマルミュージックの中から表現/体感できることもできる新しい表現がSolangeの云う「ジャズ」と感じさせられる。





        そんな鍵盤の音色とビートをベースに、重なり合いを見せる音色が美しく響いている楽曲においてSolangeは『ジャズ』を見いだし、感じているものと思う。

        なんとなく『When I Get Home』を聴いてみたら、彼女の本作に対するインスパイアされている背景等のバックボーンが見えるとより深く、楽しくのめり込める濃厚な作品へと体感させてくれる秀逸名作と言えるだろう。

        更にはここ最近リリースされるのアンビエント/ニューエイジ作品と重なる部分も少なからずあるであろうと思っている。







         


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        Record - R&B/NU-SOUL | comments(0) | -